専業主婦と老後貧乏には深い相関関係がある。
現在の20代~30代の「専業主婦になりたい」女性に告ぐ。
専業主婦を選ぶと、老後貧乏へのリスクが高すぎる!

「専業主婦は2億円損をする」と言われるようになったのは、最近だ。
(参考記事:専業主婦は、損である
現在の正社員を辞める前に、「専業主婦と老後貧乏」の記事を読んでほしい。

専業主婦になって、子育て・教育を一生懸命してから、仕事に復帰したいと思う方も多いだろう。
簡単ではない。専業主婦のブランクを超えるのは厳しいのだ。
たいへんな努力になるし、途中で諦めてしまい、パートどまりが多いだろう。
パートなら、難しくないが収入が低い。ほぼ専業主婦である。
フルタイムになると、ヤリガイが高く収入も倍増する。
ただ、フルタイムは正社員との収入の違いが明瞭で、退職するまで差は縮まることはない。
正社員を継続している方が、経済的なリスクは低いのだ。

新婚で、教育費はいくらかかるかを考えるのは難しいかもしれないが、費やそうと思えば天井知らずであることを告ぐ。
子供は、学校教育だけで楽しく大きくなってくれればいい・詰め込み教育はいやだ・自然の中でたくましく育ってくれればいい・と思うかもしれないが。
子供の周囲の環境・子供自身から、習い事をする・中学受験する・海外留学する、あるいは野球・サッカーなど強豪校へ行きたい、という希望が出たらどうするのか?

「うちはお金がないから行かせることができないよ」と言うのか?
「きょうだいがいるから、あなたは我慢してね」と言うのか?
いや、家計が可能なら子供のもやりたいことを応援してやりたいだろう。
もしかしたら世界の王者になるかもしれない。

奨学金で行かせればいいと考えるかもしれないが、莫大な借金を負わすのを前提に教育すると、その子供が就職・結婚後も苦しむことは間違いない。

では、夫だけの収入で、生まれてくる子供たちの教育費は、賄えるだろうか。
高収入の夫なら大丈夫だろうか。
いや、どんな夫でも絶対に大丈夫とは言えない時代になってきた。
もし、1人っ子で、何とか最高レベルの教育を与えられたとしても、老後資金は残っているだろうか。
上位3%の資産家・経営者は、潤沢な老後資金があるだろう。
しかし、一般庶民95%以上は、高額の教育費用+老後費用 のダブルパンチに耐えれるだろうか?

夫だけではリスクは高い。
夫と妻の2本立てで、教育費用+老後費用を余裕にしよう。
正社員のダブルインカムなら怖くない。

しかし、正社員を続けるつもりが、辞めなければいけない事態も起こりうる。
夫の転勤、体調不良、ワンオペ育児・家事に耐え切れず・・・など。
あるいはブラック企業で、身体だけでなく精神が壊れる・限界だという場合もある。
そんな時は、以下の道もあり。

正社員 → 専業主婦 → 子育て → 資格勉強 → 専門家
専業主婦の後、専門家への道をたどる、こんな物語はどうだろう。

専業主婦(ワタシ)が、老後貧乏回避できたある物語。

夫と結婚。東京本社の夫についていくため、ワタシは退社して一緒に上京。
夫の手取り19万円(額面24万円として)では、月に1度のおしゃれレストランが精一杯。
履歴書片手に就活して、正社員として採用される。
昭和~平成初期の就活は、今の時代に比べれば簡単だった。
そのころはバブル崩壊始まっていたとはいえ、ボーナス入れて年360万円の収入あり。
しっかり貯金しておこう。
貯金は順調に貯まっていったが、実家の母が急逝してショックもあり切迫流産で絶対安静を医師から告げられる。
1か月休んだが、体調不良が続き仕事を続けるのは困難になった。
おなかの赤ちゃんを最優先。
正社員だったが退職することとなる。

1.正社員 → 専業主婦

出産して、毎日が忙しい。
3歳違いで2人目を出産。
2人目が生後4か月の時に地方に転勤となる。

2.専業主婦 → 子育て

ワタシは、自然豊かなこの田舎で、いろんな経験をさせてあげることにした。
・地域の運動会・お祭りには必ず参加して、ハッピ姿のカワイイ写真を撮る。
・毎朝オニギリとお茶持参で、車で大きい公園に行き思いっきり遊ばせる。
子育ての悩みはつきないが、年上ママや幼稚園の先生に相談、子育て本など、小学生になるまで手探りで何とか育てる。

ワタシたち家族は、また転勤を経て、今度は地方都市へ。
都会になると、教育ママが多いことを知る。
田舎だったので、習い事や塾など勉強させずに小学校入学していた上の子。
しかし都会では、小学校受験を真剣に考えるママ、習い事を網羅しているママもいる。
都会では、習い事や塾が整備され、数多くから選択可能となっている。
驚いたが、郷に入れば郷に従えで、地方都市にいる以上は人並みに何かさせてみよう。

まずは、習い事は何にしようか本で調べてみる。
→ 昭和~平成初期はネット情報は少ないので、雑誌や本で調べる

小学校低学年は、そのころ「習い事トップ3」の水泳・ピアノ・英語を習わすことにした。
→ 今なら、プログラミングも入るのだろうか(笑)

見事に2年程度ですべてやめたのだが、習い事は無駄ではないと断言できる。

水泳は、クロール・平泳ぎなど溺れない程度には習得済み。
ピアノのおかげで、音符と音感がわかる程度には習得済み。
英語は、abc~単語を少し習得済みのため、中学生の授業開始時には自信を持ったのか、高得点を継続。
体育・音楽・英語は、付いて行けないことはない。習い事のおかげだ。
国語・算数・理科・社会は、塾にいけば鍛えられるだろう。
調べたトップ3にはちゃんと理由があるのだと知る。
習い事は、子供の得意を伸ばす・不得意を克服させれるのは、経験から間違いないだろう。

さて、上の子はこれで良かったのだが、子供によって能力が違うので習い事は同じではない。
下の子は、小学校に入って算数ができない。数字を数えるのが下手のようだ。近所には「そろばん塾」があり、友達数人が通っている。
自分からそろばん塾に入りたいとお願いしてきたが、結果、小学校1年生から6年生まで継続した。

ワタシが選んだ習い事は、上の子・下の子も2年程度でやめたが、
子供が選んだ習い事は長く継続可能性あることも学んだ。

都会では、小学校受験・中学受験があり、そのための塾がある。
中学受験をさせるのは大きく2方向がある。

ブランド大学付き:エスカレータ式で中学・高校時代を受験勉強に追われないようにできる。
ブランド大学なし:トップ大学目指す進学校。現役志向・医学部志向・最高府志向がある。

色々考えた末、上の子に中学受験を選ぶ。
中学受験から大学までの投資金額を概算し、身の丈に合うかを思案する。

地域・大学によって差があるが、中学受験した場合の教育支出金を概算してみる。

●中学受験塾~高校卒業まで820万円

(1)中学受験前は4年生からの塾代として、240万円
 4年生~5年生年間70万円、6年生は100万円

(2)私立中学から高校まで、580万円
 学費540万円(90万円×6)。入学金 40万円(20万円×2:中学と高校それぞれ支払う)

※定期代(遠い)・クラブ費(多い)・交際費(電車で友人宅に行くなど)で、年間+数十万円は軽く費やす。

●大学 (文部科学省調査も参考にしている)

(1)私立大学文系の場合:4年間 404万円
 学費:300万円(75万円×4) + 施設費等:80万円(20万円×4) + 入学金:24万円 

(2)私立大学理系の場合:院に行く前提で6年間 755万円
 学費:630万円(105万円×6) + 施設費等:132万円(22万円×6) + 入学金:26万円 

(3)私立大学医学部の場合:6年間 2,254万円
 学費:1,620万円(270万円×6) + 施設費等:530万円(84万円×6) + 入学金:104万円

 ※医学部は大学によってピンキリ・これはあくまで平均値

(4)国立大学の場合:学部問わず(東京芸術大学以外)
 一律約53.5万円/年、入学金一律28万円、施設費なし

 文系の場合:4年間 244万円
 学費216万円(53.5万円×4)+入学金28万円

 理系(医学部含む):6年間 352万円
 学費324万円(53.5万円×6)+入学金28万円

 

●中学受験前~大学卒業までの合計額を概算

私立大学:
 文系・・・1,224万円 (820万円+404万円)
 理系・・・1,575万円 (820万円+755万円)
 医学部・・・3,074万円 (820万円+2,254万円)

国立大学:
 文系・・・1,064万円 (820万円+244万円)
 理系(医学部含む)・・・1,172万円 (820万円+352万円)

※学費は文部科学省調査の平均値を使用している部分もあるので、この値は最低ラインと考える。
※以上の概算は、自宅通学の場合。下宿の場合は最低でも月13万円の仕送り必要(でないと勉強できずバイト生活三昧となる)。

子供を中学受験・私立一貫校に通わせた場合、大学までの概算がわかった。
子供1人の場合で、以上の概算。
子供2人では・・・!

上の子を私立中学に通わせ、下の子は公立という家庭がいる。
子供1人目の時は中学受験させたが、下の子までは無理だと言う。
1人っ子ならいいが、きょうだいの平等という面ではどうだろうか。
とはいえ、専業主婦で子供2人を私立道の場合、ワタシの家計は破綻するのではないだろうか・・・

あ~正社員を続けていれば、少なくとも年間360万円以上の収入はあったのにな・・・
10年の子育て:-3,600万円(360万円×10年)
子供2人の私立道は余裕だったはずだ・・・
いやいや、後悔しても仕方ない。

そうだ、専業主婦を脱出して家計を潤そう!
子供2人の教育費と、老後の資金のために!

 

3.子育て → 資格勉強

とはいっても、小学4年生と小学1年生の子供の子育て中で、何ができるか考えてみる。
➀パートをする
②内職をする
③資格勉強をする
とりあえず、➀か②なら手っ取り早いだろう。
ここで、ネットをググってみる。

➀パート時給900円、②内職平均工賃500円(厚生労働省)
これを数年継続しても収入はほとんど変わらないようだ(数10円アップ)

③資格のある仕事、例えば
●会計系の場合、
簿記3級 時給1100円~ 簿記2級 時給1500円~ 税理士 時給3000円~
●医療系の場合、
医療事務 時給1000円~、看護師 時給1700円~、薬剤師2300~

なるほど、資格の難易度によって時給が高くなるのか。

中学校になれば、部活や生徒会、塾などで帰宅が遅くなる子供たち。
数年後のフルタイムを視野に入れたほうがよさそうだ。
どうせなら、一生の仕事にしたい。
どうせなら、専業主婦になって消えた 年収360万円 以上を稼ぎたい
ブランクあるおばちゃんの場合、人気の一般事務職では不利。若くて安い女性を使うはずだ。
それに一般事務職では、年収240万程度。
では確実に経済的優位に立つには、③資格勉強して、専門職を手に入れるしかない。
とはいっても、脳が老化しているので難しい勉強はできない・・・
高難易度の資格を取得し年収500万円以上でなくてもいい、年収360万円程度でいい。

もし、高難易度資格を取得するためなら、長期に継続できるモチベーションが必須だ。
子供でもそうだが、いきなり難しい宿題を与えられると、モチベーションが下がってできない。
鉄板の資格・会計系なら、簿記3級から地道に勉強して簿記1級まで取得する。
その上の、税理士・公認会計士=年収500万円以上を目指すママもいることを、ネットで読んだ。
自宅なら、乳幼児の子育て中でも合間に勉強できる。

ワタシは、興味のあったIT系を勉強することにした。
興味のあること、楽しいこと、好きなことは、難しくてもストレスが少ない。

子供たちが小学校に行っている時間に、パートではなく資格勉強を選ぶ。
資格の勉強、
・お金はあまり使えないなら、本を買って独学。
・お金を使える場合は、専門学校へ。
・国の支援をもらうなら、無料で教育訓練に通う。

IT系なので、PCとソフトがあれば独学でもできそうだ。
ソフトの使い方がわかれば、難しくはない。
PCで好きな絵をかいてみる。
LINEスタンプにも応募してみる。
流行すればスゴイ収入だが、結果がどうであれ、ワタシが楽しいステキだと思えるスタンプを作ろう。
そこそこよさげなスタンプらしいので、少しお小遣いが稼げる。

資格勉強:過去記事参考
資格の選び方
職種の選び方

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4.資格勉強 → 専門家

子供が大きくなったので、10~16時の教育訓練なら通えるかな。
本格的に学び、家でも復習して、いくつかIT系資格を取得する。
どの資格でもそうだが、経験がないと企業には入れない。
まずは、お世話になった専門学校で、昼間の授業のパート教員になる。
教員の経験を積みながら、企業でも即戦力になれるよう、独学を継続する。
子供が小学校の間はパートをしながら資格取得・経験と技術を養い、その後の就活に備える。
中途採用は、企業は即戦力・使える人物でないと雇わない。
専門分野を網羅し、すぐに対応できないと「専門家」として仕事できない。
若いころは難しくなかった就職が、今の時代は武器(資格・経験)を持たないと厳しいことを知った。

下の子が中学校になったのを機に、PCで書いた履歴書には取得資格と経験を羅列し、USBに収めた制作物を片手に、就活。
縁があって専門職員として採用され、本格的に社会復帰!
ワタシは出産前のように仕事ができるのを、心から感謝している。
若い頃は仕事に感謝することはなく、土日が毎日続けばいいと思っていた。
お金の大切さ・仕事のありがたさを、子育てを経て実感する。

さあ、専門家としてバリバリ仕事しよう。
そして、退職して消えた 年収360万円 いやそれ以上を家計に追加して、教育費・老後の生活費に備えていこう。
夫だけの収入ではなく、ダブルインカム。これは強い。
教育費は、下の子供が大学卒業までの10年間だけ。
これで、私立医学部になってとしても、怖くない。
私立・国立どの学部に行っても、子供たちに「奨学金」という名の借金を負わさずにむ。

そう、教育費の名のもとに、中学受験~大学まで、最低 1,064万円(国立文系)、最高 3,074万円(私立医学部)を費やしたとしても、
11年後から定年退職までは、老後生活費の余裕資金となる。

老後貧乏、これで回避できるだろう!

正社員 → 専業主婦 → 子育て → 資格勉強 → 専門家

楽ではないが、こんな道もある。