教育費をかけ子供は幸せになれれば、ムダ金ではない、万々歳である。

しかし子供に教育費をかけたために起こる災難もある。
大きく2つに分けられる。

①家庭での生活が苦しくなっていく。
②子供が親が願う方向に行かなくなっていく。

いろんな家庭、子育てがある。

①の場合は、よくある話。
教育費がかさむのに、それを出資するだけの収入がないので、生活費を圧迫する。
しかしこの場合は、ママが仕事に出る、住宅購入をあきらめる、親に泣きつく、など、なんとかやりくりして対処ができる。そしてこれ以上は難しいとなった時に、教育方向を変更することになる。

②の場合は意外と実情が知られていないが、もっと悲惨になる場合もある。

●エスカレータ式の私立のため、勉強がどんどん出来なくなっていく。
●反抗が増し、親の願いとは全く反対の道へと行ってしまう。
●最終目的である、親の願う職業に就かない。

これくらいでも悲しいのだが、子供がふと我に戻ったり、時間はかかっても親の願う道へ戻ってきたり、ということもある。
しかしもっと取り替えしのつかない場合も発生する。

●不登校になる。
●うつ病になる。

悩む親のためにも「NPO法人 登校拒否、不登校を考える全国ネットワーク」が存在している。
子供たちの悩みの根は深い。学校生活がなじまないだけとか、簡単ではない。学校に行かなくても通信で資格も取れる時代なので、無理して学校に行かなくてもいろんな道は選べれる。
不登校長かったが、大学受験資格で受験し大学生活から昔のあの子に戻ったと涙する親もいる。

どの学校でも不登校はあるし、それが親の教育方針のせい、とは限らない。繊細な神経を持っている、芸術的な志向が高いため、クラスメイトと上手く合わせれない、ほかもっと様々な要因による。
有名な宮本亜門も、高校時代に不登校を経験している。

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もっと悲しいのが、不登校を経て子供が「うつ病」になってしまった時である。
がまんしてがまんしてもうダメだと思った時、子供には自殺願望が出てくる。自殺願望の時点で「うつ病」を疑ったほうがよい。
すぐに病院に行き、カウンセリングを受け、子供を見守ろう。
病院に通うと「うつ病」の薬を処方される。
薬は必要なのだが、薬により頭がぼーっとして朝が起きれないので学校になかなか行けないこともある。
副作用で食欲が出たりする時は、少し太ってしまうことで学校に行きにくくなることもある。
学校に行くことが最大のストレスになるので、一進一退の時期もあるかもしれない。
それでも、自殺の心配もなく自分で日常生活が送れるようになれば、ママもホッと一息つける。

超エリートを望んでいた親も、子供の不登校やうつ病を経験し、歌ではないが「何でもない日常が幸せだった」と気づいた時、子供の全てを受容し寛容になれる。
不登校が続いて学校は行けなかったが、アルバイトを始めてから楽しく暮らしている。
高校・大学は行けなくても、日常生活が送れ、自分で生活できるくらいは稼ぐことができる。
それで十分である。子育ての最終目的は、自活できるように育てること、なのだから。

挫折なくどんどん歩く子供には、「行け行け」と超エリートへ煽り立てても子供には楽しいかもしれない。上を目指している自分はとても気持ちの良いものだ。
しかし、挫折のない人生は存在しない(たまに存在するが)。
いつ挫折するのか、子供時代なのか、大人になって40代になってからなのか。
子育て中、どんなことがあるかもわからない。順調に全てがいくとはわからない。

子供が挫折した時に、親がどう対応するか。
子供が幸せになるかどうかで、親ができることは、教育費をかけることだけではない。
子供の状況をみながら、その時々に与えるものを考えていこう。
そして悩み苦しんでいるときは、そっと寄り添ってあげよう。
「あなたがどんな子でも大好き」一言だけでもいい。
親の期待にはもう応えられないこんな僕でも、受け止めて欲しい。言葉で、肯定して欲しい。
子供にもわかっている。友達なんか当てにならないことを。
血のつながった家族だけが味方であることを。

 

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