老舗の和菓子店、駿河屋(するがや)が破産したニュースから2年以上になる。
先日、このようなPDFを読んだ。
「業歴30年以上の「老舗倒産」は、 構成比20%を上回る 」
※2019年追加
日経 2019/1/31 によると、
「2018年の倒産企業で、業歴30年以上の老舗企業の構成比は32.7%(前年比1.5ポイント上昇)と老舗企業の構成比がアップした。」

セレブママ達に警鐘、という点から考えてみたい。

老舗企業と言えば、セレブ生活を思い浮かぶママもいるだろう。
そういう家に嫁いだら、跡取りを安定させる男の子が生まれるたびにママの地位も上がるという、暗黙の了解がある。
小学校から私立は当然だが、大学の偏差値がより高い系列小学校へ合格させるのが、嫁いだママの手腕の見せどことでもある。

いくらセレブでも、漫画やドラマである舅姑からのイジメというのは嫌だ、のは確かである。
実際にあるのかもしれないが、周囲のママ友からは「イジメ」られた事を聞いたことがない。
むしろ、お着物や車をプレゼントされたり、嫁の自由な時間を大切にしてくれている印象が強い。
一昔前は「家」に縛られて不自由だったようだが、そんな家では嫁が来てくれない。
あるいはすぐ離婚を要求され、跡取り孫を嫁に取られた揚句、莫大な慰謝料を請求されたりするかもしれない。
「自由」な時代に育った私たちの世代以下は、「不自由」なら我慢しないのだ。
だから、縁があれば躊躇することなく嫁に行っても問題はないかと思われる。

ところで、ママが頑張って大学系列小学校に受験合格した後、ママはどういう道をたどるだろうか。

そのまま大学まで行ければ、学費を払い続けるだけで、受験難終了となるが・・・
途中で子供が大学系列から降りる場合もある。

理由は様々だが、この3パターンが多いと思われる。
①偏差値の高い国立大学、または医学部など系列大学にない学部に行きたい場合
②「~になりたいから」と、芸術系の専門学校や大学・修行と称して弟子入りなど、夢を追う場合
③学校になじめない、居心地が悪い、病気になる
高校・大学推薦が受けれないほどの成績下位層が、②と③である場合もあるが、それは論外として・・・

小学校受験たいへんだったのに、まだまだ難関が続くことになる。
まぁそれでも子供が納得のいく道が決まれば、喜ばしいことだ。
むしろ、枠から自分で出る勇気を持っているので、将来有望になるかもしれない。
回り道をしてから自社に入ることで、広い視野で経営出来ることもある。
そのまま突っ走ることも多いのだが。

次に、無事に高校・大学推薦。
就職先は同業他社などで「修行」した後、自社で跡取りとして経営に携わっていく。
思い通りに成長し、将来の繁栄が楽しみである。
さあ、跡取りを育てたセレブママ達は、ホテルランチ・お買い物・習い事に精を出していい。

以上は、理想的な道である。
しかしこのママの子育て成功は、企業が安定して儲かっているというベースの上に成り立っているモデルである。

もし、冒頭のような「老舗倒産」の危機があればどうだろうか。
「老舗倒産」までいかなくても、儲かりが親の世代と比べてはるかに低調なら、悠長に構えてはいられない。

うちの会社は、子々孫々、継続し繁栄し続けれるのだろうか。
息子たちが結婚して、その子供たちも同じように、潤沢な資金の上で私立教育できるのだろうか。

この記事を書くきっかけは、老舗ママ友(Aママとする)とランチした際に、その教育方針がすごいな~と感銘を受けたからである。
Aママは、停滞していく老舗会社の行く末を案じ、息子たちには私立小学校から大学系列のない中学校受験へ、大学は医学部以外は選ばせない。
この息子たちは、特に「好きなこと」「やりたいこと」がないので、ママに反抗もせず医学部に直行。
息子たちには、メインの稼ぎは医師として。
老舗会社は、お嫁さんか親戚が、細々とでも続けていける程度で良いという。
つまり、私たちの時代のような生活をするには、この老舗会社だけに頼るのは危険と考えている。
医師としての収入なら、確実に孫たちを私立に行かせる余裕があるだろう。
小さいときからの生活水準を下げないで済むだろう。
そのためAママは、子供たちの教育に莫大な教育資金をつぎ込んでいる。

別のママ友(Bママとする)も、老舗会社の先細りを実感している。
同じように老舗会社ではあるが、私達の代だけで終了しても仕方ないとの状況。
息子たちの時代には、より状況が悪化するだろうから、跡継ぎをさせるつもりはない。
そして、この息子たちは「好きなこと」「やりたいこと」が明確であり、それ以外はしたくないと意志が強い。
アーティスティックな才能もあるようだ。
Bママは、上記の大学系列小学校離脱組の②にあてはまる、子供達には好きな道を選ばせた。
しかしその「好きな道」は、収入が高くはない業種。
「普通のサラリーマンになるのは嫌だ」という息子たち。
それは、親が昼間家でウロウロしながらも一般家庭より豊かな生活をしている違和感から、サラリーマンを嫌がるのかもしれない。
私立小学校から私立大学・安定した一流企業へ、これで「一丁あがり」のはずが、収入の低い「好きな道」を選んだ息子たち。
いまさら教育方針変更はできない。
息子たちは、孫たちを私立に行かせる余裕は、ないかもしれない。
私たちの時代のような生活は、できないかもしれない。
息子たちの生活水準が、小さいころと比べてかなり低くなる場合でも「幸せ」になれるだろうか。
親の老舗会社が繁栄しているなら、息子たちは名義だけで生活できるので「経済」の心配はないのだが・・・
しかし、自由に「好きな道」を選んだので、息子たちには楽しい人生である。
アートの面で成功の可能性もあるなら「経済」は後から付いてだろう。

2人のママ、それぞれ危機感を持っているが、次の代への「経済の考え方」は違う。
老舗企業とはいえ、商売は簡単ではない。
儲かる経営を継続しないと、三代で潰れるのもよく聞く話だ。

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子供に「帝王学」を学ばせ、子々孫々繁栄させる意思の強いパパなら、支えて付いていこう。
子供の時代には、もっと儲かる企業になるかもしれない。
セレブママは、「経済」を考えなくてよい。

経営しているパパが「経済」を考えればよいのであって、私が口をはさむ必要はないし私の役割ではないハズ。
しかし、男性とは、自分のこと・代しか考えてない場合もある。
パパは、子供の時代の生活まで、考えているだろうか。

セレブママ達に警鐘。

私立小学校から、恵まれた生活が当たり前の子供たちには「経済」は見えない。
私たち親と同じ生活ができると、何も心配なしに考えている。
下から這い上がるのは楽しい。しかし上から下に落ちるのは悲しい。
可愛い子供たちに、悲しい人生を歩ませたくはない。
日本人は「経済」という「お金の教育」を避けてきた。小中学校では決して教えてくれない。
子供たちに「経済」を教えれるのは、親である。

資産が潤沢にある資産家は、問題ない。
経営の「帝王学」を継承させていく頼れるパパがいる場合も、ママ達は安心できる。

しかし、子々孫々、継続し繁栄し続けれる企業でない、危機感のある場合には、教育方針を熟考しよう。
「好きなこと」「やりたいこと」がある場合は、その成功へ導くために道を考えてあげよう。
「好きなこと」「やりたいこと」がない場合は、経済的に優位な職業を提示してもよい。
老舗企業を存続・発展させたければ、大学は商学部でマーケティング論を学ばせて多くのインターン企業を経験させよう。

大人になって貧乏になっても、私立小学校時代からの友人は助けてはくれない。
ママが、子供たちを「幸せ」に導く手助けをするのだ。

 

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