自分が80歳のおばあちゃんになった時を想像する。
理想は、孫達に囲まれ、年に1回大家族で温泉旅行。
ちょっと持病があるが、近所のママ友と病院で会っておしゃべりして子供らの昔話に花を咲かす。
新聞は老眼で読めるかわからないし、テレビを朝からつけてのんびり過ごす。
しかし、病院で寝たきり、あるいはボケて徘徊し子供らに迷惑をかけているかもしれない。

一方、政治家は80歳でもキレッキレで活動的、あれを目指したいと書いたことがあるが、今日からは和田京子おばあさまを目指したいと思う。

この本には感動!
和田京子社長は、ご主人様を亡くされたてから78歳から宅建試験勉強して1年で合格。80歳で不動産屋を起業し現在年商5億円の女社長である。
専業主婦で働いたことがない和田京子社長。
どうして成功しているのか。
どうして元気なのか。
どういう人生を送ってきたのか。
起業をするのではなくとも、必ずおばあちゃんになる私たちには是非参考にしたい。

 

 

和田京子社長は、過去7回引っ越しし、欠陥住宅をつかまされた経験がある。
住宅を購入するお客様のため、親身になって購入物件の調査を行い、そのメリット・デメリットを提示する。
デメリットは、和田京子社長が、欠陥物件のポイントを知り尽くした体験に基づいて調査する。
例えば、物件の床が少しでも傾いていないかを自分の足で確認、キッチン等の水周りを臭って排水溝の欠陥がないか、そして床下の確認、など。
そして、スマホの電波確認も。4Gが何本立ってるかの電波状態の良し悪しは、住むとなると重要項目である。
また、昼に調査後、夜にも物件に足を運び周囲の状態・女性の一人歩きの危険度をチェック。

これだけでも素晴らしいのだが、和田京子社長が年商5億円を稼ぐのは、他にも理由がある。

●和田京子社長は、買主から「仲介手数料」を取らない。
不動産業者というのは、売主と買主からそれぞれ3%を「仲介手数料」としてもらう。
3000万円の家なら、90万円×2で、180万円の報酬となる。
和田京子社長が考えたのは、お客様に喜んでもらい、自分は細々と暮らしていけばそれでいい、ということ。そして「世界一親切な会社」を目指した。
売主は物件売れば収入になりお金があるけど、買主はローンを組んでやっと物件を手に入れても月々支払いでたいへんである。
だから、買主から「仲介手数料」を取らない。

●24時間営業
お風呂でもスマホを常備し、睡眠時間は3時間ほどとか。
朝~夕方まで、お客様対応や物件調査。夜はパソコンで仕事。

●名刺が500円分のクオカード
わざわざ足を運んでくれた、という感謝の「足代」。
人柄がしのばれる。

さて、和田京子社長の78歳までの人生はどのようなものだったのか。
これが勉強になる(涙)

「女の幸せは結婚して子どもを育てて専業主婦になり、ばあさんになって死ぬこと」という時代。一生独身の職業婦人となる女は不幸、結婚して子育てするか、独身で働くかの2つしかない、働きながら子育てするなんて、という戦前戦後の時代を生きた方。
和田京子社長は、結婚前に結核にかかり、医師から「子どもは望めない」と宣告、主人様はそれを承知で結婚してくれ、たいへん感謝していた。子どもがいない人生を夫婦二人で生きるつもりが、幸運にも一男一女に恵まれ、教師の主人様を支え専業主婦として60年間生活。
65歳の時、主人様が病気で入退院を繰り返し、感謝の気持ちで看病生活。しかしが亡くなった時、自分の人生はもう終わったのだな…との日々。
そんなある時、お孫さんが「おばあちゃん、何か勉強してみたら」と助言、学生時代は戦火で学校が焼け勉強を目いっぱいできなかった時代で「勉強」に魅力を感じた。
お孫さんが「どうせ勉強をするなら資格を取ったら」と学歴も経験、年齢も問わない「宅建」を勉強して、15%の難関試験を1年で合格する。

起業してから。
60年間、「◯◯さんの奥さん」「◯◯さんのお母さん」と自分の名前を名乗る機会がなく、当初は電話に出て名前を名乗るのさえ恥ずかしい。
仕事経験がないが、不動産の営業でお客さんに怪しまれたり、煙たがられたりしたことは新鮮な経験。
そして、だんだん人前で喋れるようになり一日一日変身しいく。
自分の稼いだお金で物を買う嬉しさは何物にも代えがたく、「付属物」として過ごした時間を取り戻している現在。

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和田京子社長は、戦争で生き残ったことにずっと申し訳なく思っている。
そのころ、女性解放運動家の先輩方が開拓してくれたおかげで女の道が開けたこの時代を生きられて感謝しているし、ご恩返しがしたいとの思いがある。
インタビューでは「わが青春に悔いなし」人生で後悔していることは何ひとつない。何歳になっても、人はこんなに変わるんだということがみんなに伝われば嬉しい、と話している。

現在アラフィフの管理者。
2人の子育ても終わり、現在は専門職で仕事して、家族みんな仲良しだし、人生山あり谷ありで苦労もあったけど、まぁ幸せな人生だったな。人生はそろそろ終わりかな、と思っていたが…
いや、待て待て。
まだ30年は生きそうだ。

和田京子社長は、78歳から自分の人生を生き始めているではないか。
テレビで拝見したが、言葉づかいもきれいで、オシャレで、バッチリお化粧もしている。
見た目だけでなく、仕草、生き方、考え方もたいへん美しい。
年商5億の美おばあちゃん!と言わせていただこう。
いや、勝手に師匠と呼ばせていただこう。

確かに、人生はこれからだ!
めざせ、美おばあちゃん!

 

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