これは、2013年に発売されてから、ビジネスマン、専業主婦から賛否両論の嵐が吹き荒れた本。

本書のこの部分がキモ。「女はガッチリと男を捕まえて、月1万円というお小遣いで、チューチューと夫の収入と社会的リソースを吸い尽くす『タガメ女』。男はグッタリとして吸い尽くされ、最後は骨と皮になって死んでしまう『カエル男』」
昭和からの、スタンダードな夫婦の「幸福」というのは、この捕食者と餌の関係をとする。専業主婦制度が支えてきた「正社員中心・年功序列・終身雇用」といった、日本的な会社社会の現状を書いている。

読んだ時は、あ、なるほど、と驚いたのを覚えている。専業主婦時代の自分を振り返って確かにそうだったし周囲のかなりの友人に当てはまる。決まったお給料から、生活費だけでなく子供への教育費をねん出するやりくりするためには、自分も我慢するし夫にも高いお小遣いを渡すわけにはいかない。買い物に気に入ったものがあった時も、そのあとの生活費残金を考えると、怖くて使えない。
そんな自分も我慢してきた時期もあったので、子供が無事中学受験に合格して、精神的にも塾代もホッと卒業したあと、ママ友とおしゃれランチでおしゃべりして楽しんで何が悪い?夫も子供の教育費のため経済的にも協力してくれたし、夫婦で協力して頑張った感があり、けして「収入を吸い尽くす」ではないように思う。が、「社会的リソースを吸い尽くす」点に関しては、そうだろうと納得する。
つまり思い当たることがあり過ぎる。

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日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体 (講談社+α新書) (講談社+α新書) – 2013/4/23

以下推薦の言葉から

「本書は現代日本における夫婦関係を学際的な見地から鋭く究明し、日本人はなぜ生活水準が高いわりには不幸なのかという謎を解き明かしたものです。男女問わず、結婚している人、結婚を考えている人にとっては必読書です」
チャールズ・ユウジ・ホリオカ氏 経済学者

「この新著は『魂の脱植民地化』という斬新な概念を取り入れ、戦後半世紀の日本像を今までとはまったく違った見地から描こうとするものです。これまで当たり前とされていた人生のあり方を改めて問い直すことで、当たり前が当たり前でなくなるのです。ぜひお勧めしたい」
別府春海氏 スタンフォード大学名誉教授(文化人類学)

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