「Webデザイナーになろう」と考えたのには理由がある。

上の子供が中学生になり、日中ヒマになってきた。
中学受験が無事終わると、ママも抜け殻のようになるものなのだと知る。
週に2回ほど、ママ友とランチを楽しみ、学校の役員をし、習い事に精を出していた。
しかし、予定がなくヒマな日は、ダラダラとおやつ片手に新聞、テレビ。
百貨店で毎日お買い物も楽しいが、子供の教育費や将来の貯金を考えると、贅沢は敵になる。
平日はヒマでも、土日は夫や子供たちの3食の世話、宿題を見て、夫の用事の送り迎えをしているとあっという間に過ぎてしまう。
そうして「何やかやと忙しい」と自分に理由をつけて毎日を過ごす日々。
縁があって不動産収入が少しばかりあり地味に生活は出来るので危機感がない。
40代になり記憶力も低下しているのを自覚する。頭脳を使わないと退化するのだと恐怖心が芽生える。
しかし自信がない。
しかし、3つの出来事がその意識を変えていく。

1つ目は、仲の良いママ友達が勉強をし、キャリアコンサルティングの資格を取って、なんと市の専門職員となったではないか。
彼女は、自分の子供たちとボランティアに参加したり塾選びも熟慮したりと、子供への教育指針をしっかり持っている方。
実家ともに経済的には上のランクだと推定される。
ボランティアに精を出していたこともあり「時間、もったいないよねー」と言う方で働き者と言う印象が強い。
彼女は、子供が中学受験終了してから、将来は何をするかを真剣に考えていたらしい。
40代のおばちゃんに出来ること、年齢が不利になるのではなく有利になるような仕事であること。
そして、自分に合う楽しいこと。
熟考して行きついたのが、キャリアコンサルタント。
キャリアコンサルタントとは、就職を希望する人に対して、さまざまな相談支援を行う専門職である。
職業でも子育てでも自分の経験値を上げることで、相談に対し理解と濃い内容のアドバイスを行うことができる。

2つ目は、自堕落な生活が災いしてか、持病の貧血がひどくなって朝めまいがして半日動けなくなったり、家族の食事の時間には食欲がなく、不規則な時間に食欲がわいたりしていた。
そして病院通い。薬を飲んでも貧血はとまらない。
これは神様からのオシオキなのだろうか・・・
とても健康であったハズなのに自ら不健康にしたのだろうか?
不健康な自分だと、自信がなく、子供たちから質問されても明確な意見や解説ができなくなってくる。
そのうちゴミ扱いされる日が来るかもしれない。

3つ目は、キャリアコンサルタントの彼女から国の税金で「職業訓練」を無料で勉強できることを教えてもらったこと。
「無料」は主婦には嬉しい。国に感謝。
とにかく家を出て何かを始めることにする。しかし何をするか全く決めていたかったので、とりあえず何が勉強できるのか教えてもらった。
Word,Excelなど、仕事の基本の学校はいつも募集していて誰でも入れそう。
主婦がお手上げのWord,Excelツールだが、たまたま少しは出来るので、必要がない。
で、見つけたのが「DTPデザイン科」の専門学校。
たった3ヶ月の無料の「職業訓練」だが、その頃は珍しかったのか人気で倍率が高いらしかった。
中学レベルの国語と数学の問題と面接があるので、ネットで経験者の話を読み、そこだけちょこっと試験勉強して、なんとか合格したので、無料で専門学校に通うことになった。

DTPデザインとは、Desktop publishing(デスクトップパブリッシング)、日本語で卓上出版の意味。
イラストレーターやフォトショップというパソコンのデザインツールを使用して、チラシやパンフレットなど、世の中のデザインを作成する仕事を行うのがDTPデザイン。印刷物だけではなく、Webデザインにもこの2つのツールが活躍する。つまりコンピュータでのデザインの基本ツールの勉強をしていくことになる。
30名のうち、40代は、自分ともう一人くらいで、あとは20~30代の転職組。
しかしクラスメイトということで年齢関係なく仲良くなり、数回は先生を囲んで飲み会したりと、子供がいるくせに学生時代のような楽しい3ヶ月となる。

さて、楽しかった「DTPデザイン科」の専門学校であるが、その勉強を生かして現在デザイナーになっているのはどれくらいか。定かではないが、その後会ったりした様子をみると、30名のうちの5名以下であると推察できる。そのうちの2名は元々デザイナーで、転職前にちゃんとした専門学校で勉強しようというために在学していたので、就職も元のデザイン業種になったようだ。

では、せっかく国から無料で勉強させてもらったのに、その業種に行かなかった、あるいは行けなかったのはなぜだろうか?

3ヶ月勉強しても、所詮はツールの使い方を覚えました、くらいで終了になる。
それくらいでは、とてもじゃないけどデザイナーですと言って就職は無理。どの企業も採ってくれない。

ではどうすれば、その業種へ行けるのだろうか?

正解ではないかもしれないが、自分はこう考える。
その3ヶ月と、その後をどう過ごすか、で決まると思う。
毎日の授業の後、自宅でその復習を徹底する。
そのためには、まず、イラストレーターとフォトショップのツールを購入しないといけない。
そのころAdobeのバージョンCS4で、なんと学生特別価格でも7万円もした。今はクラウドになっているが。
すぐに購入して、毎日夜中まで勉強。土日は、食事の用意はそこそこで、とにかく勉強。
20代なら、パソコンのソフトツールをすぐに覚えられるし使えこなすのも早い。しかし40代は、遅い。
みんなの2倍~3倍はかかると考える。
終了式の前には、何とか卒業制作をこなすことが出来た。そしてかなり使いこなせるようになった。

さて、終了してからどうしようか・・・
もちろん良い就職先もないし、まだまだ自信もない。

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「DTPデザイン科」の先生はお二人いて、メイン講師はDTPデザイナーだが、サブ講師はWebデザイナーだった。そのWebデザイナーの先生が話していたのを思い出す。
「紙デザインは単価が安いが、Webデザインはひとケタ高い」。つまり同じ時間のデザイン仕事をして、チラシやパンフレットの紙デザインは3万円としたら、Webデザインは30万円。これからの時代は、イラストレーター、フォトショップだけでは、食べていけない、Webコードを記述できないとダメだと。
とはいってもWebデザインなんて、英語のコードをずらずらっと記述していくなんて、全く知識のない頃は宇宙に行くくらいの話。
かつその先生は、「いや、Webデザインだけではダメだ。JavaScriptのコードもかけないと淘汰される」と。
JavaScriptなんて聞いたこともないWord。もはや、宇宙を超えてブラックホールに行くようなイメージだ。
ちなみにJavaScriptとは、Webデザインで画像が動く・スライドするなど変化させるための記述コード。現在ではjQueryというコードがあり、ちょこっと書き換えるだけで深い知識なくてもWebデザイン上で動かせることができる。
深い。そして面白そうだ。
結論として「Webデザインを勉強しよう」。
「DTPデザイン科」終了後、今度は50万円自腹を切って他の専門学校に通うこととなる。
同じ考えを持つクラスメイト・ひと周り年下の女性と一緒に入学した。

さて、Webデザインコースは30万円からあり、科目をプラスすると授業料が上がる。
普通のWebデザインだけではなく、PHPコードも科目に入っているコースを選ぶ、しめて50万円ほど。
PHPは、ショッピングサイトや、ログイン機能をもつシステム機能のコード。ブログ、WordPressで自己管理のサイト作成時にもPHPを使用する。同じコードでもJavaScriptはたくさん本が売っているし自分でも勉強できそうだが、PHPはその頃あまり本がなく自力ではムリそうに見えた。
また、PHPコースを選んだのは、PHPは出来るヒトが少ない、貴重な存在になる、と先生にアドバイスをもらった事も大きい。
いや、理系の若い子なら出来るのでは、と思うが、その頃JavaScriptが主流で、JavaScriptできるヒトが次にPHPしていたような感じ。JavaScriptも知らないのにいきなりPHPとは、モノを知らないがため、行動できたようだ。イラストレーターとフォトショップしかないので、その他のツールも購入しないといけない。持っているCS4から2ヶ月後には次のバージョンが出ていたので、CS5のWebデザインに必要なセット学生特別価格12万円で購入。

40代で始めて、モノになるかわからないものに70万出資するとは、笑止。
しかし、お金を出した以上は、もったいない。せめてその70万円以上は取り返せるくらいの技術を身につけたいと、また勉強の日々。
個人に合わせたビデオ講座勉強で、仕事している人と違いヒマな主婦は毎日でも通えるので、1年半の講座を1年で終了予定となる。
さて、このスキルで果たして仕事はあるのか。

卒業制作が終わりにかかった頃、3ヶ月の無料の「職業訓練」を申し込みに行ったハローワークを、久しぶりに訪れた。そして検索。下の子供が中学1年生だったので、週4日まで、1日6時間まで。
この検索では企業はない。Webデザイナーは仕事納期前は徹夜とも聞いていたしそれは今はムリ、せめて子供の受験が終わるまでは。引っかかったのが、Webデザイン専門学校の講師、時給1600円。
まだ卒業制作中だし急いでいないが一応履歴書を応募。すぐに面接の電話が来る。面接では、前回のDTPデザインの卒業制作、と制作中のPHP記述・フラワーショップのショッピングカートのデモWebサイトを提示。次の日に採用の電話がきて、1ヶ月後の授業から担任講師として教壇に立つことになり、バタバタなったのを覚えている。
速い就職決定となったのは、昔々の美術学科教職員と金融系コンピュータ講師の経験、それと芸大美術学科出身なのでデザインは勉強済み、と思われたことかもしれない。
デザインしながらPHPやコード記述が出来る人、というのも珍しかったかもしれない。

現在は、公的機関技術職員として、jQuery、JavaScriptカスタマイズでWebデザインサイト制作。
印刷物の紙デザインはDTPデザイン科の頃の勉強も役立っている。
コード記述に関してはかなりのオタクで、Responsive Web Design記述を得意として将来的にも色あせることのない技術でオタク人生まっしぐら。好きなことは楽しい。
娘の平日の高校関係は、年休消化すればいいだけなので土日祝のみが休日でもOK。
自堕落な生活が、仕事することで規則正しくならざるを得なくなり、持病の貧血、およびめまいが全くなくなったのが不思議。年に1回健康診断では「貧血」のチェックは受けるがというかすこぶる健康体。あの日々はなんだったんだろう・・・
休日には、個人サイト制作してPHPちょこっと記述したり、可愛いキャラ創作でLINEスランプ作成など、自宅でもオタクの日々を送る。
また、料理は大好きなので、休日はちょっと手の込んだものを1品増やしている。
子供はお弁当を「コンビニや外食よりママのお弁当が好き」と言ってくれるのはお世辞ではないと自負している。
子供が小さい頃から、将来は大好きな食べ物関係で起業しようと漠然とした夢はあったがダラダラ人生を送っていたのだ。

しかし、自分に自身を持つことができ将来への目標が定まってきた。
最終目標は、一生続けられる仕事を自分で創ること。
政治家は80代でもバリバリ・キレッキレッ。ということは、自分も80代まで仕事を持ち続ければ、あれを目指せるんではないか?
現在、60歳が定年である。専門学校代、ソフト・ハード代、全ては投資資金。投資はすでに回収済みであるが、60歳で終わりたくない。
しかし技術をウリに起業はしない。60歳を超えても技術力を維持・高めることは、視力の面から難しい。
ということで、技術職員を続けながら起業に向けて日々思案している。
起業についてはまた後日と言うことで、話は戻る。

さて、自分の経験から以下のアドバイスを加えておく。

一番最初、何を勉強しようかと考えたとき、コンピューター関係と決めていた。
それは、3点の理由から。
1、家庭の事情があれば、自宅でも仕事ができるように。
2、万が一、ケガなどして半身不随(・・・)になったとしても上半身で仕事ができるように。
3、独立してフリーでも仕事ができるように。

コンピューター関係の技術は、日進月歩であり、現在バリバリ仕事している方々も、それ以上勉強しないでいると置いていかれてしまう。ということは、専門学校で勉強して最新技術を持っている方は重宝される可能性がある。
実際、知り合いの企業でもIT技術者を契約で雇いたくて募集しても中々見つからない。単価など契約内容を上げると応募者がちらほらきてくれる。この話はよく聞く。

しかし、何よりも「好きなこと」を選ぶのが一番である。
「好きなこと」は、長時間それに費やしても楽しい。そして、もっとやりたくなる。だから自分の技術も進歩する。
もちろん、「好きなこと」がない場合は、収入がいいとか、ラクだから、というのもいい。
仕事でストレスなく過ごせる分、休日は自分の「好きなこと」に使える。
自分は食べ物・料理も大好きだったが、手が荒れやすいので水仕事は家事だけで精一杯と、排除した。デザート製作スタッフとしてアルバイトをした時は手がガサガサになり皮膚科通いの辛い経験がある。手が丈夫であれば迷わず調理スタッフを選んでいただろう。

さて、仕事が決まれば、収入がグンとアップする。
夫からや親からの財産で手に入れたお金ではない。
自分で手に入れたスキルで得た、お金である。

このママの収入をどう使おうか・・・
ブランド服にバックに旅行もいいし、ユニセフに募金もしよう。いやいや、子供の教育費用がまだまだかかるし、その蓄えにしておいてもいい。
使う目的がなければ、貯金してみよう。子供が高校・大学・就職して結婚、かわいい孫も楽しみだ。そのまだ見ぬ孫に使ってもいい。われわれの子供たちが40代になるころには、世の中もいろいろ変化しているだろう。その時、虎の子財布があれば何かと役立つ。

そう、世の中のママたち、まずは、何かを始めてみよう。
人生は、自分で楽しく創っていくのだ!

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